音楽映画『コーダ あいのうた』のレビュー・感想・おすすめな人

音楽映画『コーダ あいのうた』のレビュー・感想・おすすめな人

この記事では、映画『コーダ あいのうた』を鑑賞した感想を書いています。

ネタバレを含んでいるので、「具体的な内容はまだ知りたくない」という場合は、あらすじまで読んで戻るボタンを。

『コーダ あいのうた』を観た個人ブログの映画レビューを読んでみたい場合は、先に進んで読んでみてくださいね。

 

映画『コーダ あいのうた』の基本情報

作品名『コーダ あいのうた』
原題CODA
映画監督シアン・ヘダー
脚本シアン・ヘダー
原作映画『エール!』(2014、フランス語映画)
音楽マリウス・デ・ヴリーズ
撮影パウラ・ウイドブロ
配給ギャガ
製作国アメリカ、カナダ、フランス
タイプ洋画
上映時間111分
公開日(日本)2022/1/21

 

映画『コーダ あいのうた』の登場人物・キャスト

登場人物キャスト日本語吹替
ルビー・ロッシエミリア・ジョーンズ野村麻衣子
フランク・ロッシトロイ・コッツァー坂東尚樹
ジャッキー・ロッシマーリー・マトリン-
レオ・ロッシダニエル・デュラント-
ベルナルド・ヴィラロボス/V先生エウヘニオ・デルベス松本保典
マイルズフェルディア・ウォルシュ=ピーロ玉木雅士
ガーティーエイミー・フォーサイス浅野真澄
ブレディケヴィン・チャップマン-

 

映画『コーダ あいのうた』のあらすじ

豊かな自然に囲まれた海の町グロスターで、ルビー・ロッシは特別な日々を送っていました。

聾唖者である家族の中で唯一聞こえる彼女は、幼い頃から家族の通訳として重要な役割を果たしていました。

家業の漁業も毎日欠かさず手伝う一方で、歌うことが大好きなルビーは高校の合唱クラブに入ります。

そこで彼女の才能を見出した音楽教師、ヴィラロボス先生(V先生)は、都会の名門音楽大学への進学を勧めます。

 

しかし、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じることができず、家業の存続を優先させます。

ルビーは両親の意向を尊重し、家族のために夢をあきらめることを決意します。

同時に、家族は新事業を立ち上げ、ルビーの通訳としての役割は一層重要になります。

しかし、音楽への情熱を捨てきれないルビーは、家業と音楽の両立に悩みます。

 

家族の未来と自身の夢の間で揺れるルビー。

そんな彼女を見た父フランクは、娘の才能と情熱に気付き、ある決意をします。

発表会で見事な歌声を披露するルビーの前には、聞こえないながらも彼女を支える家族がいます。

 

映画『コーダ あいのうた』の予告編動画

『コーダ あいのうた』は、家族の絆、個人の夢、そして両者の間で生じる葛藤を描いた感動的な物語です。

自らのアイデンティティを見つけ、愛する人々との関係を再考するルビーの旅路は、観る者の心に深く響きます。

 

映画『コーダ あいのうた』の感想

『コーダ あいのうた』は、聴覚障害を持つ家族の中で育ったルビーの成長を描いた、心温まる物語です。

この映画は、単なる家族ドラマにとどまらず、夢を追う若者の苦悩と成長、家族愛の深さを繊細に描き出しています。

 

特に印象的だったのは、高校の発表会シーンでした。

周囲が歓声を上げる中、聴覚障害のある家族にはルビーの歌声が届きません。

そして、映画は突然無音になります。

 

この演出は、聾者の世界への一瞬の洞察を観客に疑似体験させてくれるのです。

音の聞こえない無音の世界で、娘の歌声を感じようとする父親の世界を垣間見ることができました。

彼らの孤独感や周囲との隔たりを、一瞬でリアルに感じ取ることができる素晴らしい演出です。

 

また、家族それぞれのキャラクターが生き生きと描かれている点も見逃せません。

ルビーの兄は無愛想ながらも妹を深く愛しており、彼の「家族の犠牲になるな」という言葉は、ルビーにとって大きな支えとなります。

 

父親の行動も、娘に対する愛情の深さを感じさせます。

彼はルビーの歌声を聞くことができません。

そこで、二人でトラックの荷台に腰かけ、歌う娘の喉に手を当てて歌を感じようとするのです。

このシーンは、心を打つものがありました。

 

ルビーが音楽大学のオーディションで歌うシーンも忘れられません。

ジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」を歌うルビーは、彼女自身の人生と重なり合い、感動的な一瞬を生み出します。

ルビーの歌は、家族への愛情、彼女自身の夢への情熱、そして彼女がこれまで経験してきたすべてを表現しているかのようです。

 

『コーダ あいのうた』は、ただ感動を与えるだけでなく、家族とは何か、夢を追うことの意味を問いかけます。

彼らの日常生活における困難、喜び、そして深い絆は、観る者の心に深く刻まれるでしょう。

この映画は、家族や夢について考えさせられる、心に残る作品です。

 

映画『コーダ あいのうた』はこんな人におすすめ

『コーダ あいのうた』は、家族の絆、夢への追求、そして個人の成長を描いた映画であり、多くの人におすすめしたい作品です。

特に、家族の大切さを再確認したい人、夢や目標に向かっている人、または人生の岐路に立っている人には、心に響くメッセージが詰まっています。

 

この映画は、聴覚障害を持つ家族の中で育ったルビーの成長を描き、彼女が自分の夢と家族の愛の間で葛藤する様子を温かく、時にはユーモラスに描いています。(下ネタもあります)

家族の愛情の深さ、夢への情熱、そしてそれらを取り巻く様々な感情が描かれており、観る者に深い感動を与えます。

 

また、音楽愛好家や合唱に興味がある方にも特におすすめです。

ルビーの歌声が映画の中心を成し、その美しい歌声と感情のこもった演技は、音楽の素晴らしさを改めて感じさせてくれます。

 

障害を持つ家族との生活を描いた映画ですが、障害をテーマにした作品にありがちな重苦しさはなく、日常の中の小さな喜びや挑戦が描かれています。

人間関係やコミュニケーションの大切さを感じたい方にも、心温まる作品としておすすめします。

 

さまざまな背景を持つ人々が共感できる普遍的なテーマが詰め込まれた『コーダ あいのうた』は、多くの人にとって特別な体験となるでしょう。

家族と共に観るのも良いでしょうし、自分自身の人生を考え直すきっかけとして観るのも素敵な時間になるはずです。

 

【まとめ】音楽が好きなら映画『コーダ あいのうた』を観るのがおすすめ

音楽という普遍的なテーマを通じて、家族愛、夢への追求、個人の成長を描いた『コーダ あいのうた』は、音楽愛好家に特におすすめの映画です。

この作品は、聴覚障害を持つ家族の中で唯一健聴者であるルビーの物語を描き、彼女の歌声が映画を通して観る者の心に響き渡ります。

 

映画は、家族の絆の深さと、個々の夢や目標への情熱を巧みに描いています。

ルビーの歌声と彼女の感情豊かな演技は、観る者に音楽の素晴らしさを改めて認識させ、心に深く響くメッセージを伝えます。

特に、無音になる発表会のシーンや、家族への愛を込めたオーディションシーンは、音楽の力を感じさせる強烈な印象を残します。

 

家族愛を再確認したい人、夢に向かって努力している人、人生の岐路に立つ人にも、この映画は大きな感動と共感を与えるでしょう。

障害を持つ家族との生活を描いているものの、重苦しさはなく、日常の中の小さな喜びや挑戦が描かれています。

 

音楽が好きな人はもちろんのこと、さまざまな背景を持つ人が共感できる普遍的なテーマが詰め込まれているため、『コーダ あいのうた』は多くの人にとって特別な体験となること間違いなしです。

この映画は、音楽の力、家族の愛、そして自分自身の人生を深く考えさせてくれる作品であり、観る者にとって心温まる時間となるでしょう。