この記事では、映画『Once ダブリンの街角で』を鑑賞した感想を書いています。
ネタバレを含んでいるので、「具体的な内容はまだ知りたくない」という場合は、あらすじまで読んで戻るボタンを。
『Once ダブリンの街角で』を観た個人ブログの映画レビューを読んでみたい場合は、先に進んで読んでみてくださいね。
映画『Once ダブリンの街角で』の基本情報
作品名 | 『Once ダブリンの街角で』 |
原題 | Once |
映画監督 | ジョン・カーニー |
脚本 | ジョン・カーニー |
撮影 | ティム・フレミング |
劇中歌 | 『Falling Slowly』 |
配給 | ショウゲート |
製作国 | アイルランド |
タイプ | 洋画 |
上映時間 | 87分 |
公開日(日本) | 2007/11/3 |
映画『Once ダブリンの街角で』の登場人物・キャスト
登場人物 | キャスト | 日本語吹替 |
---|---|---|
男 | グレン・ハンサード | 桐本琢也 |
女 | マルケタ・イルグロヴァ | 園崎未恵 |
ティミー(ドラマー) | ヒュー・ウォルシュ | 川島得愛 |
リード(ギタリスト) | ゲリー・ヘンドリック | 坂東尚樹 |
ベーシスト | アラスター・フォーリー | - |
エイモン | ゲオフ・ミノゲ | 中村秀利 |
男の父親 | ビル・ホドネット | - |
女の母親 | ダヌシュ・クトレストヴァ | - |
ヘロイン中毒者 | ダレン・ヒーリー | - |
ビル | マル・ワイト | - |
昔の女 | マルチェラ・プランケット | - |
ボブ | ニーアル・クリアリー | - |
映画『Once ダブリンの街角で』のあらすじ
ダブリンの街角で、運命の出会いが2人の音楽家を結びつけます。
男は心に傷を抱えながらも情熱を注ぐストリートミュージシャン。
女は、チェコからの移民で、ピアノの音色に心を寄せる花売り。
彼らの出会いは、街角のメロディとして、やがて美しいハーモニーを奏で始めます。
男が書いた曲でのセッションは、2人の心を近づけます。
彼らは互いに魅了されながらも、過去のしがらみと葛藤に苦しむ。
音楽の力が、彼らの心を結びつけ、もどかしい想いを胸に秘めながらも、お互いに深い感情を抱くようになります。
ダブリンのストリートで自作の歌を奏でる彼と、彼女のピアノに魅せられた瞬間から始まる、一生に一度の出会い。
彼らはレコーディングへと進み、一緒に音楽を作り上げる中で、互いの心を通わせていきます。
しかし、そこには断ち切れない過去の影がちらつき、2人の関係は複雑な感情に揺れ動きます。
彼らの旅路は、音楽という共通言語を通じて、人生の意味を探る心の旅となるのです。
映画『Once ダブリンの街角で』の予告編動画
劇中歌『Falling Slowly』
映画『Once ダブリンの街角で』の感想
『Once ダブリンの街角で』は、心に響く音楽と共に、2人の出会いと成長を描く、忘れがたい作品です。
この映画は、ジョン・カーニー監督の手によって、音楽映画というジャンルに新たな光を投げかけています。
作品は、ダブリンの街角で出会った2人の主人公、名もなきストリートミュージシャンの男(グレン・ハンサード)と、花売りの女(マルケタ・イルグロヴァ)の物語を描きます。
彼らの出会いは偶然でありながら、音楽を通じて深い絆で結ばれていく過程が印象的です。
特に心に残るのは、楽器店での2人のセッションシーン。
ここでは音楽の力が、2人の間に新たな可能性を生み出していく瞬間が描かれています。
このシーンでの、2人の心が通じ合い、お互いの存在がかけがえのないものになっていく様子は、観る者の心に深く刻まれます。
この映画が特に印象深いのは、そのリアリズムにあります。
実際のミュージシャンである主演2人の自然な演技が、映画にドキュメンタリーのような説得力をもたらしています。
特に、撮影を経て実際に恋愛関係に発展した2人の関係性は、画面上でもリアルに感じられるほどです。
また、撮影技法もこのリアリズムを際立たせており、まるでダブリンの街角を歩いているような臨場感があります。
映画の中で描かれる音楽は、ただのバックグラウンドミュージックではありません。
むしろ、ストーリーの中心にあり、人生の複雑な感情を表現する重要な手段となっています。
『Falling Slowly』などの劇中歌は、2人の関係性を表現するだけでなく、それぞれの内面の成長をも描き出しています。
2人が音楽を通じてお互いに影響を与え合い、成長していく様は、音楽が人生に与える影響の大きさを物語っているのです。
『Once ダブリンの街角で』の魅力は、大胆な演出や華やかなシーンにあるのではなく、日常の中の小さな瞬間にこそあります。
2人が互いに心を通わせながらも、最終的にはそれぞれの道を歩むことを選ぶ過程は、人生の複雑さと美しさを感じさせます。
ちなみに、作品中では翻訳されないチェコ語の「Miluju tebe」は日本語で「私が愛しているのはあなたよ」という意味。
この映画は、刹那的な出会いの中で見出される人生の勇気や喜びを、繊細かつ力強く描き出しています。
心を揺さぶるような音楽、リアルな演技、そして2人の心の動きを丁寧に描くストーリーテリング。
これらすべてが組み合わさって、『Once ダブリンの街角で』は、音楽映画という枠を超えた、深い感動を与える作品となっています。
観る人それぞれが、2人の物語から何かを感じ取り、心に残る何かを得ることでしょう。
映画『Once ダブリンの街角で』はこんな人におすすめ
『Once ダブリンの街角で』は、音楽を心から愛する人々に特におすすめの映画です。
音楽が人生に与える影響を深く感じ取りたい方、日常に新たな色を加えたい方には、この映画が新しい視点を提供してくれるでしょう。
ストリートミュージシャンとしての生活、音楽を通じた人との出会いに興味がある方も、この映画のリアルな描写に引き込まれるはずです。
また、恋愛映画としての要素を期待している方よりも、音楽と人生のシンプルながらも深い結びつきを感じたい方にこそ、この映画は共感できるところが多いと思います。
人々の心を温かくするストーリーと素晴らしい音楽は、音楽家を夢見る方や、日々の生活に音楽の喜びを求める方にとっては、心に響くはずです。
そして、映画の中で音楽が果たす役割について考えたい方、自然な演技とドキュメンタリー風の映像が好きな方にもおすすめします。
『Once ダブリンの街角で』は、美しいメロディと共に、心温まる物語を紡ぎ出しています。
それは、音楽の持つ力を信じ、日々の生活の中で小さな奇跡を見つけたいと願うすべての人にとって、忘れられない作品となるでしょう。
【まとめ】音楽が好きなら『Once ダブリンの街角で』の映画を観るのがおすすめ
音楽が好きなら、映画『Once ダブリンの街角で』は見逃せない作品です。
この映画は、音楽を通じて人生がどう変わるかを、感動的に描いた傑作です。
ダブリンの街角で偶然出会ったストリートミュージシャンと花売りの女性の物語は、音楽の力で心を通わせる2人の関係を深く掘り下げています。
リアルな演技とドキュメンタリー風の映像が、日常の一コマのような臨場感を生み出し、観る者を物語の中に引き込みます。
特に、音楽が人生に与える影響を感じ取りたい人、日常に新しい色を加えたい人は、この映画を観ることで改めて気づけることもあるでしょう。
音楽に情熱を注ぐ主人公たちの姿は、ミュージシャンを夢見る人や、音楽の喜びを日々の生活に求める人にとって、共感できるところが多いはず。
『Once ダブリンの街角で』は、ドラマと音楽が見事に融合した作品で、音楽映画としてのバランスもちょうどいい。
映画の中で生まれる音楽の瞬間や喜び、そして2人の成熟した味わいに満ちた物語は、観る者に深い感動を与えます。
この映画は、音楽の持つ力を信じ、日常に小さな奇跡を見つけたいと願うすべての人にとって、忘れられない余韻を残すでしょう。